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ローバ・ミッキーの「映画を通して、恋愛力アップを」


舞台はモンゴルの「アダルトグッズ・ショップ」

『セールス・ガールの考現学』


写真出展&Referance:公式サイト


親の期待通りに大学で原子力工学を専攻にしている地味なタイプの主人公サロール(バヤルツェツェグ・バヤルジャルガル)は、バナナの皮で転んで怪我をしたクラスメイトに頼まれて、1ヶ月間、アダルトグッズの店でアルバイトをすることになった。


学校が終わった夕方から夜まで店でバイトしてから、一人で優雅に暮らすロシア語を話すモンゴル人のオーナー・カティア(エンフトール・オィドブジャムツ)の住むマンションに売上金を毎回持参するまでが仕事だった。


お店に置いてある品々は今まで見たこともない「大人のおもちゃ」。

それを売る幼顔で化粧もしていないサロールだったが、気難しい中年女性カティアに気に入られ、彼女と話すうちに「親の期待に逆らえず自分を抑えている」ことに気づく。



写真出展&Referance:公式サイト


今週お届けするのはモンゴルの作品。

モンゴル映画といえば『ターコイズの空の下で』『天の馬』『風と砂の女』などが日本で公開されているが、ほとんど草原の地が舞台で、厳しい自然と共に生きる人々を描いている。


今週公開の作品は、モンゴルの都市ウランバートルで、ひょんなことからアダルトグッズ・ショップでアルバイトをすることになった女の子の成長物語。

デートでも女友だちと一緒でも観た後の会話が弾むはず


お店のオーナー・カティアは貫禄のある謎めいた女性で、かつては有名なバレリーナ。

今も「現役女性」でいつもは愛猫と優雅に暮らしている。

演じるはエンフトール・オィドブジャムツさん。

彼女はモンゴルの舞台女優で映画出演は30年ぶり。


一方のサロールは300人以上のオーディションで選ばれ、映画初主演。口もとには産毛があって大学生には見えない。カティアは初対面の時に「こんな子どもにバイトをさせられない」と怒ったほどだ。


そんなサロールも、顔を隠して来店する男や友人にプレゼントすると言って買いに来る女性、「これ、どうやって使うの?」とわざわざ問うてくるひやかしの客などの対応も、無表情でボーっとしているので、ひやかしお客もつまらない。

案外うってつけのバイトかもしれない。


いろんなことを経験したり、人生経験豊かな良き相談者カティアとお付き合いしたりする中で、徐々に表情が明るくなって、おしゃべりもおしゃれも、そして「性」のことも無理なく描かれていた。


◎今までのモンゴル映画とは違い、サロールの自宅の様子、モンゴルの街の風景が目新しく映った。

◎サロールがヘッドホンで聴いていた音楽が、突如、耳元から解放されて、歌手がスクリーンに現れるという新鮮な試みも秀逸。


写真出展&Referance:公式サイト


★ジャンチブドルジ・センゲドルジ監督/モンゴル/123分

★公式ホームページ http://www.zaziefilms.com/salesgirl/

★4月28日公開



★ミッキーの毎日・映画三昧 http://mikki-eigazanmai.seesaa.net

映画好きが高じて年間500本以上を映画館、国内映画祭、試写室で観ている年金満額&後期高齢者のローバ・ミッキーです。週1回ほど映画を通していろいろな「人生&恋愛模様」を語っていきます。


★★来週7日は東京有楽町で開催される「イタリア映画祭」に行きますので、お休みいたします。

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