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ローバ・ミッキーの「映画を通して、恋愛力アップを」


あなただけの〈特別な〉一着、仕立てます 

 DVD『繕い裁つ人』




神戸の街を見下ろす坂の上に、その店はあった。

「南洋裁店」という小さな看板が掛けられた古びた洋風の一軒家。

2代目店主の南市江(中谷美紀)の仕立てる服はすべて昔ながらの足踏みミシンと手仕事で、1代目の祖母が作った服の仕立直しとサイズ直しがメインだ。

たまに彼女自身のデザインもあるが、顧客に品質第一で一生着ることができる手作りの一点ものばかり。


そんな市江の洋服が評判になり、神戸のデパートに勤める藤井(三浦貴大)は、市江にブランド化の話を持ち掛けるが全く興味を示さない。

その話に「お顔の見えない方の洋服は作りません」と断ってしまう。

彼女の美しさとは裏腹に業界では「頑固じじぃ」と呼ばれていて……。




凛とした中谷美紀さんの美しい佇まいがいい。

そんな彼女の元に、断られても断られても日参する藤井。

彼がいつしか彼女から刺激を受けていく流れも納得できた。


クラシックな店内の佇まい、人肌の温もりがある布地、吟味された仕立て道具の数々。

市江の日常にあるものは、燻し銀のように静かな輝きを放っていて、豊かで落ち着いた気分にしてくれる


脇には、片桐はいり、黒木華、杉咲花、中尾ミエ、伊武雅刀、余貴美子と個性的な俳優さんたちが勢ぞろいしている。


◎ 「繕う」も「裁つ」も今ではあまり使わない言葉だ。

ミッキーの小さい頃は母親が破れた靴下を繕ったり、あみ直しの毛糸をヤカンの湯気でのばしたり、着なくなった洋服を裁断して作り変えたりしていた日常生活が蘇ってきた。


◎一生大事にしたい洋服(着物)のお持ちのあなた。

きっと、それにはいっぱい思い出があるはず。

その思い出と一緒に豊かな人生を歩むきっかけになるような作品



★三島由紀子監督/104分/2015年

★ホームページ http://tsukuroi.gaga.ne.jp


★今週公開のオススメ映画

『母の聖戦』

テオドラ・アナ・ミハイ監督、脚本/ベルギー、ルーマニア、メキシコ/135分

メキシコ北部の町で暮らすシングルマザー・シエロのひとり娘の少女ラウラが犯罪組織に誘拐された。冷酷な脅迫者の要求に従い20万ペソの身代金を支払ったが娘は帰ってこない。

警察に相談しても相手にしてもらえないシエロは、自力で娘を取り戻すことを胸に誓い、犯罪組織の調査に乗り出す。

自らの命をかけて、我が子の奪還を誓った母親の愛と執念の物語。



『ヒトラーのための虐殺会議』

マッティ・ゲショネック監督/ドイツ/112分

1942年1月20日。ベルリンのバンゼー湖畔に建つ大邸宅にナチス親衛隊と各事務次官が集められ「ユダヤ人問題の最終的解決」を論議する会議が開かれた。移送、強制収容、強制労働、計画的殺害などの方策が淡々と議決された。

会議は約2時間弱で1100万人ものユダヤ人の運命が決められた史実の問題作。



★ ミッキーの毎日・映画三昧http://mikki-eigazanmai.seesaa.net

映画好きが高じて年間500本以上を映画館、国内映画祭、試写室で観ている年金満額&後期高齢者のローバ・ミッキーです。週1回ほど映画を通していろいろな「人生&恋愛模様」を語っていきます。



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