~「Part2・スパイスでお薬代わり」~
国際中医師・森文見(モリアヤミ)さんによる薬膳四方山話

前回に続き今回は身近な "スパイス" です。 皆さんが知っているスパイスには漢方薬の材料・生薬となっているものが沢山あります。 薬膳では食材には全て効能がある、と言う考えがあります。 今回はすぐに手に入る "スパイス"の中で 身体の調整に使いやすいものについてご紹介します。 ターメリック ご存知カレーのスパイス。カレーの黄色い色素でもあります。 血行を促進し、血を綺麗にします。ストレスなどで鬱屈した体内の「気」も動かし、 肝臓(肝)を助けます。身体を温める作用があります。

シナモン 以前にも紹介しました。巻いた筒状のものや粉末のものがあります。 身体を温める作用が大変強力で、自身の温める力が弱った事による冷え、 冷えによる痛み、体内の陽気を一気に発奮、鼓舞させます。 スパイスのシナモンは桂の幹の皮。その枝は「桂枝湯」の生薬です。

八角(スターアニス) 独特な香りで中華料理の肉料理によく使われます。 手の先や背部の冷えを解消し、胃腸の働きを促進させ消化を助けます。 吐き気止めにも。

フェンネル 八角を大ウイキョウ、フェンネルを小ウイキョウと言います。 こちらは小さいですが温める力は八角よりも強め。 お腹の冷えや、体内の滞る「気」を動かすためにも使われ生薬です。 温め続ける作用があります。

陳皮(チンピ) 七味唐辛子や色々なスパイスミックスに使われています。 体内の痰(粘性の不必要な水分)をやっつける目的や、 お腹が張る、など、「気」の滞りに使用します。 漢方薬の大事な生薬です。 ただの温州みかんの皮を干し古くさせたものですが 身体に潤いが足りない人や、あまりにも体力が弱っている人は控えましょう。

クローブ 肉料理によく使うスパイス。身体を温める力が強く、冷えから来る胃痛、吐き気、 しゃっくり止めにも。

花椒(中国山椒) 痺れるスパイス。冷えによる腹痛、下痢止め、虫下し、 身体を温める力は大変強力です。更年期など火照り感の強い体質の人は控えて下さい。 日本の和山椒は効能が穏やかで、食欲増進に良いです。

赤唐辛子 お腹の冷え、消化促進。血行促進による発汗の促し、体内の不必要な湿気を飛ばします。 強力な熱の効能があるので、更年期中、胃痛時、発疹が出てる時、二日酔いの時、 喉など身体に炎症を起こしている時は控えましょう。

生姜(生のもの) いつでも冷蔵庫にあるものですが漢方薬の材料、生薬です。 悪寒がする風邪のひき始めに、良い発汗作用により寒気を追い出します。 吐き気止めにも良いです。スープや、ジンジャーティーなどで気楽に使用出来ます。

香菜(パクチー) 消化を促進、発汗作用に優れ、悪寒がする風邪のひき始め、グズグズと治らない発疹 などを追い出します。 身体を一旦温めますが温め続けるものではありません。

ミント(薄荷) 頭や目が重い、スッキリしない時。喉が痛く熱っぽい風邪のひき始めにも良いです。 少し発汗しますが、身体を冷ます作用に優れています。

いかがでしょうか。キッチンに眠っているスパイスも身体の不調の時に役に立つかもしれませんね。
是非お試し下さい。 次回はドラッグストアに売ってる健康茶についてお話します。

森 文見(モリアヤミ)
国際中医師(国際中医専門員A級)
国際中医薬膳師
中医薬膳茶師
北京中医薬大学日本校卒(現・日本中医学院)
薬膳食材・薬膳茶のCharming Shop店長
講師業
*溜め込みカラダをスッキリさせる薬膳茶「消食健人」
Charming Shopショッピングサイト、Amazon、ヤフーショッピングで人気!
*Charming Shop Instagram:https://www.instagram.com/charming_shop_official/
コメント