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「上司が分かってくれない!」を卒業しよう~大人の女性の交渉術 ~

キャリアカウンセラーの山口です。 さて、今回のテーマは 「大人の女性の交渉術」 です。 さっそくこちらの事例を見てみましょう。 相談者:A さん、40代前半で既婚、お子さんなし。 半年前、 Aさんの同じチームの同僚が育休から復帰 してきました 。 同僚はフルタイム勤務で、時々ワーキングマザー社員としてセミナーに登壇するなど活躍している様子です。とはいえ 同僚は必ず定時で退社するし、子どもの体調不良で急に休むことも しばしばです。 一方で Aさんは同僚のフォローのために仕事量が大幅に増えてしまいました 。Aさんは繰り返し「 上司は分かってくれない 」と言っていましたが、 実際に上司は何もしてくれないようで、Aさんはストレスで転職か異動を希望 す るようになっていました。 しかし、私が「Aさんは上司に何を分かってほしいのですか?そして上司に何をしてほしいのですか?」と尋ねるとAさんはムッとした顔をして口をつぐんでしまいました… いかがでしょうか? Aさんのように、もし「上司が分かってくれない」という 不満に身に覚えがあったら、自分の交渉の仕方 を振り返ってみましょう。まずは、 交渉の際のNG行動のチェック からしていきましょう。 NG行動1: 「私の気持ちを分かってもらうこと」をゴールにしている 仕事の交渉においては気持ちの理解というのはゴールではなくプロセスの中の1つなのです。極端な話、たとえ 相手があなたの気持ちを一切理解しなかったとしても、「自分の要求が通ればOK」 とマインドセットすることが大切です。 NG行動2: 説明の仕方が漠然としている 相手に自分が困っている状況を伝える際に最優先すべきは、 あなたの気持ちではなく 具体的事例や客観的なデータが必要です。 何をどのくらい改善する必要があるのか 、それに着手しない場合に組織に どのような不利益があるのかを説明 することを意識しましょう。 NG行動3: 自分の要求を伝えない 自分の問題については、 最終的にどうしてほしいのか、自分の要求 も伝えましょう。解決策もいくつか提案できるとさらに良いです。不満や問題点だけ伝えた場合、相手によっては「これでガス抜きができた」と何も対策を取らないことがあります。 「NG行動3:自分の要求を伝えない」に関しては身に覚えのある方が多いのではないでしょうか? ちなみに、事例として出した 相談者のAさんは 、カウンセラーである私と対話を重ねる中で 最終的に「上司に何を望むのか」を掘り下げていくと、「自分の昇進」 だという事に気づきました。子育てをしながら働く同僚のサポートをすることや、業務量が多いことが嫌なのではなく、自分がいることで組織が円滑に回っている事を上司が評価して、自分に次期のグループリーダーを任せてほしいという事が望みだったのです。 相談者のAさんは、その要求を上司に伝えてみると言ってスッキリした顔でカウンセリングを終了しましたが、 もしAさんが自分の要求を相手に伝えなかったらどうなったでしょうか? もしかしたら Aさんの上司は、Aさんの業務量や仕事の責任レベルを減らし、Aさんは昇進から遠ざかる結果になっていたかもしれません 。 さて、 自分の本当の思いを整理したい時におススメの方法は以下の3つ です。 1.ノートに書いてみる 誰かに見せるものではありませんから、きれいな文章にする必要はありません。単語でもいいし、どんなに汚い言葉を使っても構いません。言葉にするという事は、理解することです。 書いているうちに自然と自分の思考が整理される ことを実感できるはずです。 しかし一方で、自分一人でする作業には限界があり、新たな発見が生まれにくいというデメリットもあることを覚えておきましょう。 2.信頼できる人に話す もしも身近に心を開いて話せる相手がいるならば、思い切って打ち明けてみましょう。 相手の反応や問いかけが思考の整理を手伝ってくれる はずです。相手に「あなただったらどうする?」と聞いてみると新しい発見もあるかもしれません。 しかし、 相手が自分の望む反応をするとは限りません 。自分の心に相手からの反論を受け入れる余裕がない場合は、やめておいたほうがいいでしょう。 3.利害関係のない人に話す キャリアカウンセリングを受けることもおすすめ です。カウンセラーはあなたを評価する立場ではありませんし、人間性に対してガッカリしたりすることもありません。また、守秘義務がありますので外部に漏れる恐れもありません。 カウンセラーは話を聴くプロであり、まとまっていない話を整理する訓練を受けていますので、安心してお話しください 。 要求を通すこと、自己主張をすることは日本人全体の傾向として苦手な行動かもしれません。しかし、要求を伝えないという事は、「自分の未来を他人任せにする」という事なのです。 自分の本当の気持ちに向き合い、思いを整理して、笑顔ではっきりと自分の意見を伝える…。ぜひ意識してみてくださいね。 山口奈生(やまぐち・なお)
1982年岩手生まれ。 学校卒業後、損害保険会社にて営業や社員教育部門を経験したのち、配偶者の留学に伴い米国へ。 帰国後2014年に国家資格キャリアカウンセラーを取得し人材紹介会社転職。 これまで大学生から社会人まで広くキャリアカウンセリングを対応 2017年に配偶者の転勤により再度、米国に引っ越した後に、人材系ベンチャー企業にて新規事業立ち上げを経て、翌年2020年7月 ワタシル合同会社 を設立。
*ワタシル大学Instagram: https://www.instagram.com/watashiru_college/ *ワタシル大学Twitter: https://twitter.com/watashiru_cl

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