キャリアカウンセラーがオススメする、更年期の向き合い方3選♡
キャリアカウンセラー山口奈生(やまぐち・なお)さんによるハッピーコラム♡
ゆらぎの年齢を自分の体にきちんと向き合う時間にしよう
キャリアカウンセラーの山口です。
私は現在40代。最近同世代の友人たちから「最近ちょっと更年期が来たかも…」という声がちらほら聞こえるようになりました。
更年期とは、閉経前後の5年、合計約10年間の時期を指します。
女性ホルモンが減少していく40代後半ぐらいから、ほてりやのぼせなどの症状があらわれるため、そこで更年期を実感する人が多いようです。
しかし、更年期には個人差があり、30代後半~40代半ばの時期から心身に不調が出始める方もいます。
閉経に向けて心身がゆらぎ始めるこの時期をプレ更年期と言う事もあります。
キャリアの視点で言うと、プレ更年期~更年期の女性のキャリアのキーワードは「同時並行」と言えるでしょう。
「え?同時並行ってどういうこと?」と思われた方々のために、もう少し詳しく解説していきます。
例えば、キャリアカウンセリングにいらっしゃったある相談者の方は、40代半ばで部長への昇進を打診されました。
しかし、彼女は自分の母親が重い更年期症状に悩まされたことから自分もそうなるのではないかと恐れて、昇進を断るかどうか迷っていました。
彼女には高校2年生の長女と、中学受験のための塾に通う長男がいます。
本心で言うならば部長に昇進して責任ある仕事がしたい。
でも、今後の子どもの受験を更年期の体調でできるのかと大きな不安を抱えていました。
また、ある相談者の方は子供がまだ小学生で手がかかるのに、親が病気に倒れてしまい、介護が始まる可能性もある中、自分にも更年期の症状が出てきて仕事を続けるかどうか迷っていました。
またある相談者の方は、自分が更年期で思うように働けない中、パートナーが役職定年制によって収入が3割程度減ってしまい、パートナーのメンタルサポートに大きな負担を感じていました。
このように、心身の不調と共に様々なキャリアイベントが同時並行的に起きる。それが更年期なのです。
さて、ではどうすればよいのでしょうか?
自分らしい生き方を絶対に諦めたくない。そう思う方々のために、私がキャリアキャリアカウンセラーとして次の3点を強くお勧めしたいと思います。
1. 自分に向き合う
更年期で心や体の状態が不安定になる時期こそ、「本当に大事にしたいもの」が何なのかを自分に問いかけてみましょう。
更年期は諦めの時期ではなく、これからの新しい人生に向けて、自分にとって本当に必要なものを選び、選択と集中を行うための期間なのです。
また、あれもこれも自分がやらなくてはいけない!と気負うのではなく、「自分が」やらなければいけないことは何なのかを考えましょう。
自分以外の人の手を借りる、やらなきゃいけないと思いこんでいた事を手放すことも良いでしょう。
キャリアカウンセリングにいらっしゃったある相談者の方は、更年期を迎え、一時期は入院してしまうほど体調を崩したそうです。
しかし、それをきっかけに朝ごはんの支度を自分の高校生の息子に託したところ、一日に一食は家族のために必ず作るという事が息子さんの習慣となり、大学生になって一人暮らしを始めた際も心配のない状態になったとのことでした。
長年の習慣を変えるのは難しいことです。
しかし、更年期が終わっても人生は長く続きます。
更年期をきっかけに自分と向き合い、その後の人生を豊かにすることを考えてみましょう。
2. 自分の体の状態を知る
婦人科を受診して、自分の体の状態を知りましょう。
「更年期なんて、みんなあることだから」と諦めるのではなく、今の自分の状態を知ることで、抱えている不調が更年期症状なのか、それとも他の疾患によるものなのかを明確にしましょう。
更年期障害だと思っていたら実は他の疾患が隠れていた、ということになったら大変です。
不調をただ我慢するのではなく、自ら把握して自分のコントロール下に置くこと。
そのためには婦人科の受診が不可欠です。
3. 正しい知識を付け、自分に合った適切なケアを受ける
現在は更年期の様々な症状に対してホルモン補充療法、漢方薬、その他の抗うつ剤や抗不安薬など様々な方法で対処することが可能です。
また、カウンセリングや食事や運動などの方法が合う方もいるでしょう。
残念なことに、女性の健康に関する情報は医学的な裏付けの少ないものもたくさんあります。
目の前の情報に流されずに、正しい知識を身に付け、自分のライフスタイルに合った方法を選択することが大切です。
最後に。
私自身は自分のカウンセリングの中で、更年期を経験された女性が身も心も軽やかにその後の人生を楽しんでいる事例をたくさん見てきました。
それを見ていると、未来はいつも明るいと思うのです。
全ての女性が経験する更年期。
人によって症状に差はあれども、私たちの身の回りには同じように悩んだ先輩、仲間がたくさんいます。
そして、医療的なケアから精神的なケアまで多くの方法で対処できる環境が整っています。
ゆらぎの時間を、自分に向き合う時間としてこれからの人生をハッピーなものにしていきましょう。
山口奈生(やまぐち・なお)
1982年岩手生まれ。
学校卒業後、損害保険会社にて営業や社員教育部門を経験したのち、配偶者の留学に伴い米国へ。
帰国後2014年に国家資格キャリアカウンセラーを取得し人材紹介会社転職。
これまで大学生から社会人まで広くキャリアカウンセリングを対応
2017年に配偶者の転勤により再度、米国に引っ越した後に、人材系ベンチャー企業にて新規事業立ち上げを経て、翌年2020年7月ワタシル合同会社を設立。
*ワタシル大学Instagram:https://www.instagram.com/watashiru_college/
*ワタシル大学Twitter:https://twitter.com/watashiru_cl
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