第10回 女性のヘルスリテラシー向上を目指して!
女性のヘルスリテラシー専門家の北です。
ヘルスケアの話がいつもは多めですが、今回は最近の私の経験から、セカンドライフ世代にぜひ取り組んでほしいことを書きますね。
◇日本人は「よい子」が多い
私も自分もそうだなあと思うのですが、日本人は「よい子」が多いそうなんです。
健康行動や行動医学などで有名な宗像恒次先生が定義した「よい子」とは、「周りの人との関係の中で、自分の肩を持ってくれる人に気に入られようとして、自分の感情を抑えてでもその人の期待に応えようとする『自己抑制型行動特性(通称イイコ行動特性)』を持つ子」です。
どきっとしませんか?
これは親や先生の言うことを聞いて勉強するのがいい子で褒められるという日本の教育というか文化によってつくられているように思います。
女性は特に「いいお母さんじゃなくっちゃ」「いい奥さんじゃないと」と、家族の期待に応えて自分のことをあとまわしにしがち。
そうしているうちに、自分が何をしたいかわからなくなって、折りたたまれて小さな箱に閉じ込められてしまっていないでしょうか。
◇自分が勝手につくった、本当はない「フタ」
私も子育てをしていて思うのですが、●●したい、でもできないなあっていうことありませんか?
例えば遠方で魅力的な企画があって行きたいなあと思ったとき、1週間家を離れるなんてできないから無理だ、とか。
飲み会に誘われたけど、その日はパパがいないからいけない、とか、友達が温泉旅行に誘ってくれたけどいけない、とか、スノボに行きたいけど、無理だなあ、とか・・
挙げればきりがないのですが、小さなものも入れると本当にたくさんあります。
本当は「できない」のではなく、無理してまでやらない選択を自分でしているだけなんです。
勝手に自分で「できる」範囲をきめてその中で動こうとしているんです。
とてもジャンプ力があることで有名なノミ。
ノミを、コップを逆さにして閉じ込めて、自分が跳べるよりはるかに小さい高さまでしか跳べない環境に一度おきます。
すると、コップをなくしてもコップまでしか跳ばなくなるそうなんです。
勝手に自分のジャンプ力を下げてしまっている、そんな話聞いたことありませんか?
まさに女性はそういう状況に陥りやすいんじゃないかなって思います。
そしてコロナ。コロナで見えないフタをみなさん感じながら日々過ごしていませんか?
◇フタをなくすために、いつもはやらない冒険を定期的にしよう。
なんでこんな内容を書いたのか?それは私自身の経験からです。
私は4歳の子どもを育てる母で、子どもが1歳になったときに起業しました。
妊娠する前は外資系の会社で世界を飛び回り、プライベートでも自転車、スノボ、スキューバダイビングととっても身軽でやんちゃでした。
でも子どもを産んで、コロナになって、一度小さな世界に落ち着いてしまったら、その外に出ることができないような気持になっていました。勝手にフタをつくっていたんですね。
年末から、「フタはないよ」と教えてくれる出来事が続き、「あれ?!私、何やってるの?」と思いました。
そこで、勝手に「フタ」をつくらないために、定期的に自分がやらないことをやるチャレンジをすることにしたんです。
最初は小さなことからかもしれないけど、いろんなことに挑戦したり試して自分の世界を広げ続けること、人生を楽しむのに必要だなって。
みなさんも、いつの間にか自分の可能性を小さくしていませんか?
フタをつくって中に入ってませんか?一度立ち止まってみてくださいね。
ちなみに、自分がどのくらいよい子か診断してくれるサイトがあるので、一度やってみてくださいね。
株式会社ジョコネ。代表取締役。
グローバル医療機器メーカーにて10年以上マーケティングのキャリアを積み、自身の経験から女性のヘルスリテラシーをライフワークに研究、活動を展開。
NPO法人女性医療ネットワーク理事、聖路加国際大学大学院にて女性のヘルスリテラシーの研究中。
早稲田大学理工学部卒業・修了。
著書:『女性がイキイキと働き続けるためのヘルスリテラシー』(セルバ出版)
・北奈央子さんのTwitterはこちら
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