top of page

第9回・国際中医師・森文見(モリアヤミ)さんによる薬膳四方山話



今回はダイエットについて


そもそも 「肥満=食べ過ぎ」です。

ただ、ダイエットに成功する人と失敗する人の違いは何でしょうか?

食事や運動の量だけではなく、体質や体内のバランスも大きく影響しています。

中医学では、人の体質によりそれぞれに特徴的な太りやすさや痩せやすさがあります。

少し違う視点から、女性のダイエットに役立つ体質別の特徴と対策をご紹介します。


①ストレス

この体質の女性は、活発で行動的、自分にも他人にも厳しく、ストレスを感じやすい傾向があります。


ストレスが溜まると、肝気(かんき)が滞り、気血の巡りが悪くなります。

すると、代謝が悪い上に食欲が増したり、甘いものや油っこいものを欲したりして、太りやすくなります。

月経前に異様に食欲がわく、などはまさしくこれです。

気の滞りは生理不順やPMSなどの婦人科系の不調を引き起こすこともありますね。


このタイプはストレスを溜め込まないことがダイエットのポイントです。

ストレスを 発散させる、とは、「発して散らす」。体内で結び固まらせてはいけません。

ストレス発散の方法は人それぞれですが、運動や趣味、リラックスできる音楽や香りなどを活用しましょう。

また、気を滑らかにするためには、酸味のある柑橘類や香りもの野菜、海藻類などもおすすめです。

逆に、甘いものや油っこいものは控えめにしましょう。


②睡眠不足

この体質の女性は、情熱的で活発なタイプ、自分の感情や意見をはっきりと表現する傾向があり気持ちが高ぶると、

体内の火が上昇し、心臓や血管に負担がかかります。すると、不眠やイライラなどの精神的な不調を引き起こします。

火が盛んになり過ぎると血液の循環を悪くし、頭や体は火照っていても手足の末端が冷えやすくなります。

不眠によって代謝が低下、血液の循環が悪いと消化能力も低下させ、脂肪が燃焼しにくくなるため、太りやすくなります。

このタイプは、冷静になることがダイエットのポイントです。自分の感情をコントロールする方法を見つけ、ストレスを溜め込まないようにしましょう。また、火を鎮めるためには、辛いものや刺激物、アルコールは控えめに




③食べ癖

この体質の女性は、温和で優しいタイプ、人に頼られることが多く、自分のことを後回しにしがちです

考え事でいっぱいになると、脾気(ひき=お腹、消化の力)が弱まり、水分代謝が悪くなります。

すると、水分が体内に溜まってむくみやすくなったり、消化不良を引き起こしたりします。

また、脾気の弱さは元気の無さに繋がって気力がわきません。

食べることで安心感を得ようとして、特にお腹が空いていなくても癖で食べ過ぎてしまうこともあります。

この体質の女性は、自分のことを大切にすることがダイエットのポイントです。

自分の好きなことや楽しいことを見つけて、心を満たすようにしましょう。

考えても仕方ない事はくよくよ考えない、放り出すくらいでちょうどいいです。

また、脾気を強化するためには、火の通ったもの、穀物類、芋類、根菜類などを腹八分きちんと食べる事がおすすめです。

逆に、生冷食材や甘いものは控えめにしましょう


④便秘

この体質の女性は、几帳面で正確なタイプ、ルールや秩序を重んじる傾向があります。

気持ちが抑圧されたり、がっかりし過ぎたりすると肺気(はいき)が滞り、大腸の働きが悪くなります。

すると、便秘や下痢などの排泄系の不調を引き起こします。また、肺気の滞りは皮膚や髪の毛の乾燥や肌の乾燥にも影響します。

便秘は体内に毒を溜め込み、太りやすくなるだけでなく、肌荒れやニキビなども引き起こします。

この体質の女性は、感情を素直に表現することがダイエットのポイントです。無理に我慢したり抑え込んだりせずに、笑ったり泣いたりした方が体に良いです。また、肺気を通すためには、少し辛味のある食べ物や潤いの梨、柿、バナナ、山芋、松の実などがおすすめです。逆に、乾燥したものや塩分の多いものは控えめにしましょう。


⑤代謝低下

この体質の女性は、冷静で思慮深いタイプ、自分のペースで物事を進める傾向があります。

気持ちが落ち込んだり不安になったりすると、腎気(じんき)が不足し、水分代謝やホルモンバランスが乱れます。

すると、水分が体内に溜まってむくみやすくなったり、基礎代謝が低下して太りやすくなったりします。

また、腎気の不足は生殖器系や骨格系の不調、老化を早める事があります。

あまりに不足すると冷え症が慢性化し更に代謝が悪くなります。

この体質の女性は、自信を持つことがダイエットのポイントです。自分の長所や魅力を認めて、ポジティブな気持ちでいるようにしましょう。また、腎気を補うためには、黒色(黒豆、黒木耳、黒胡麻など)や山芋、海老、塩味のある食べ物や海産物、動物性のたんぱく質などがおすすめです。

逆に、冷たいものやカフェインの過剰摂取は控えめにしましょう




食事やライフスタイルの改善以外にも、経穴(ツボ)刺激療法や吸玉療法もダイエットに有効とされています。

ただし、これらの療法は正しい知識や技術を持つ専門家によって施術して頂いて下さい。


最後に、中医学的なダイエットは劇的な効果を求めるものではなく、

健康的なカラダづくりを目指した持続可能なアプローチが結果肥満解消に繋がると言う考えになります


今から夏!一番ダイエットに効率の良い代謝が活発な季節です。


肥満は見た目だけでなく体にとって良い事はありませんので常に意識して下さい。





森 文見(モリアヤミ)


国際中医師(国際中医専門員A級)

国際中医薬膳師

中医薬膳茶師

北京中医薬大学日本校卒(現・日本中医学院)

薬膳食材・薬膳茶のCharming Shop店長

講師業


*溜め込みカラダをスッキリさせる薬膳茶「消食健人」

Charming Shopショッピングサイト、Amazon、ヤフーショッピングで人気!


Comments


bottom of page