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第7回・国際中医師・森文見(モリアヤミ)さんによる薬膳四方山話



今回は「薬酒」についてお話します。


お酒は飲み過ぎず、嗜むのが良いと言いますが(耳が痛い)

そもそも薬酒の 酒 自体が元々医薬であり昔は貴重で特別な効能・作用があります

そこに生薬を浸したら良いのではないかとの発想から生まれました。


酒服(薬を酒で服用する)と言う方法があります。

処方される際にそのように指示される薬の摂取方法です。(勿論生薬で構成された漢方薬の事です)

わたくしもある漢方薬によってはお酒で飲んでもいいですよ、とアドバイスする事があります。

え?お酒で?ダメなんじゃないの?と、びっくりされますが、

薬効が高まるのと、酒自体の作用を利用する服用方法です。



薬酒は生薬を長時間浸す事によりあますことなく成分が浸出され

体内への浸透も優れ、酒により盛んになった血流に乗って隅々まで行き渡り

身体も温まり、身体も弛緩されリラックスし、いわゆる効果が最大限引き出され利点が多いのです。


急性の疾病にと言うより、滋養強壮、日々の養生、続ける事により体質改善などにもってこいです。

既に16世紀頃の 本草綱目 と言う有名な薬物の典籍には70種程の薬酒が記載されています。

他の国でも、ベルモットなどは薬草を入れたいわゆる薬酒ですね。

日本ではお正月の 屠蘇 はまさに薬酒です。これもそもそも中国から伝わったものです。


生薬は難しく考えず簡単に1種類でOK。

2種、3種となると沢山の配合が考えられます。

特にルールや決まりはありませんので気楽に作って毎日おちょこ1杯飲む習慣で

是非養生に役立てて欲しいです。


生薬の種類にもよりますが共通の簡単な作り方と使いやすい生薬をご紹介します。



酒1ℓ (焼酎が一般的。良いものでなくていい。麦焼酎など)

生薬 約100g程(ものによります、これより少なくてもOK)

煮沸した清潔な瓶

氷砂糖好みの量(なくても良い)


瓶に生薬を入れ酒を注ぎ1ヶ月程冷暗所で寝かす。

生薬を取り出し、飲む。

生薬は食べれるものは食べて良い。



お勧めの生薬


①山査子(サンザシ)


食べ過ぎなどで体内に滞った未消化物(食積)をスッキリ降ろす、血を綺麗にし、血流を促す

と言う2つの効能があります。



②なつめ


血を補い貧血予防、気力を補う、お腹を強くする、精神不安や不眠などに良い作用がある。

と言う多くの効能が備わっています。



③枸杞の実


肝腎(肝心要は元は肝腎要)の大切な潤いをしっかり補充する、目に良い、更年期症状に良い、男性の精力を付ける。

と言うアンチエイジングの代表的な生薬。パートナーに飲んで貰いましょう。



④陳皮(チンピ)


体内の 気 を動かし、鬱々とした精神やイライラに良い作用、お腹の調子を整える

と言う2つの効能があります。



⑤山薬(サンヤク)


気力を補い滋養強壮、疲労回復や、老化防止、潤いなど

疲れやすい人に良い効能があります。



⑥蓮子(レンシ・蓮の実)


疲労回復、精神不安などに



組み合わせても良いですね。

全て漢方薬に使用される生薬であり食材でもあります

実際はもっとガツンとした生薬が他にも沢山あり患者さんの身体によってまさしく薬として使用するのですが

ご紹介するのは優しく穏やかなものに致しました。

手に入れるのも大変ですし、生薬は使い方(摂取する人)を間違えると危ないからです。

高麗人参などを浸けるのは良く見ますね。大変効果が高く高価ですが (笑)

誰でも毎日摂取すると良い、と言うわけではありません。



あっという間に出来て、身体に負担のない薬酒。是非試してみて下さい。

簡単にどこでも手に入るものばかりですが

当店サイトにありますのでご利用下さい。

手作り薬酒のプレゼントも喜ばれますよ。

自分の分と一緒に作って父の日母の日にいかがでしょうか。

疲れてコンビニで栄養ドリンクなるものを飲むよりうんと体に良い事を強くお勧めします!




森 文見(モリアヤミ)


国際中医師(国際中医専門員A級)

国際中医薬膳師

中医薬膳茶師

北京中医薬大学日本校卒(現・日本中医学院)

薬膳食材・薬膳茶のCharming Shop店長

講師業


*溜め込みカラダをスッキリさせる薬膳茶「消食健人」

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